監督「山内重保」

ドラゴンボールZ
『復活のフュージョン!
悟空とベジータ』


1995年 日本     執筆日:2003年 1月5日





■第一章 『時を経て』


…お正月TV特番で、『ドラゴンボールZ』の映画見ましたよ。
『ドラゴンボールZ 復活のフュージョン 悟空とベジータ』(東映)。


『DBZ』(←ちょっと通ぶってみる)の映画を見るのなんて、
6〜7年ぶりじゃなかろうか?



最後に見たのが、たしか
「メカフリーザだったかがいっぱい出てくるヤツ」だから、
本当に久々だなー。

あれから色んな作品を見て目も肥えちゃったし、
TV版の後半の画力もヘボヘボだったから、
きっと当事の映画のヒドさに愕然としちゃうんだろうなー。



…などと、時の流れの感慨にふけりつつも、
美しい過去の思い出が壊れそうでビクビクしながら見たのですが…




うん… イイじゃん。 結構イケるよ、これ。


『スピーディな格闘と重厚な打撃音』
『光線技を撃つとそれと同じ色に染まる背景』。

そして、『空気の動きも再現した爆発エフェクト』。


ああ… やっぱりイイわ、DBZ。



「文句無し!」と、までは行かないまでも、
キッチリと画力のクオリティも維持されてるし。



『DBZ』に賭けた俺の青春は間違ってなかった。


我が青春に一片の悔い無しっ!



ただ、それ以外の内容がちょっと…






■第二章 『ストーリー』


おおまかなストーリーは、以下のとおりです。


…地獄の閻魔大王の施設の事故で、施設の管理をしていた
ヤングが『凝縮された悪い気』をいっぱい浴びて
『巨大なデブの怪物』になってしまい、
閻魔大王たちをガラスのような壁に包んで封印してしまい、
その影響で地上では『死人が甦って大パニック』になる。


…というのが序盤です。



大パニックという割には、
死んだおじいちゃんが生き返ったり、
高速道路をジンギスカンの騎馬隊がのんきに走っていったりと、
けっこう楽しそうですけどね。




…で、天国にいる
主人公『孫悟空』と、ライバル『パイクーハン』が、
閻魔大王を助けに、共に施設に急行。

悟空は怪物退治を、パイクーハンは封印破りを受け持ちます。



悟空が「スーパーサイヤ人3」で怪物をボコにしたら、
怪物は変身してスマートになり
さらに強くなってしまいました。


悟空危うし!




そこに、なんとアノ、アノ…

『ベジータ様』の魂 が登場です!


全国5000万のベジータ様ファンの歓喜の声が大空を震わせます。




…でも、ベジータ様、即行でボコにされてしまいました。

屈辱です。



カカロット(悟空)にも慰めの言葉をかけられて、ベジータ様、
『貴様の情けを受けるぐらいなら
死んだほうがましだ!』

と、凛々しく言い放ちます。



でもカカロットに
『…お前ぇ、もう死んでんじゃねぇか。』
と、素朴なツッコミを入れられて本気で慌てふためいています。


ベジータ様、お亡くなりになってから、
だいぶ角がお取れになったというか、間がお抜けになったというか…


ファンとしては、心境複雑です。





…その頃、パイクーハンは封印破りを着々と進めていました。
封印は、悪口を言われると、なぜか少しずつ壊れていくのです。


理由はわかりませんが、
封印とは乙女心のような物なのですね。





…で、一方、悟空とベジータ様は、
『フュージョン(融合)』合体して戦う事にしました。

ベジータ様はイヤがったんですけどね。



1回目は融合に失敗して、
中途半端な合体のせいでデブになってしまった彼らは、
敵にボコボコにされます。

フュージョン時に、ベジータ様の合体ポーズが
ちょっと間違っていた
のが原因なのですが、そんなもん、
ちゃんと教えなかった悟空のせいですよね、ベジータ様。



…で、なんとか30分間逃げ回って、
1回目のフュージョンが終了しました。
いよいよ2回目のフュージョンです。

今度は成功!

最強の合体戦士『ゴジータ』の誕生です!



『フュージョンとフュージョンの間は、
1時間ほどの休息が必要だったはずでは?』

とか、ヤボなツッコミは無しです。


放送時間が残り5分切ってんだから。




ゴジータ、1分もかけずに怪物をボコボコに粉砕しました。

万々歳です。




戦い終わったベジータ様の魂は、
その役目を終えて風に溶けてしまいました。




『ベジータ様』ファン号泣です。


ありがとうベジータ様、さようならベジータ様。

貴方の孤高たる生き様と雄姿をこの目に焼き付けて、
我々ファンは生きていきます。





ドラゴンボールGTに出てきた
『スゴい変な髪形の、あなたに似た男』 (チョビひげ付き)
の事は、見なかった事にして金輪際忘れます。






■第三章 『その他』


…なんかストーリー紹介というより
『ベジータ様賛歌』になってしまった第二章ですが、(そうか?)
この「天国での壮絶な戦い」の合間合間に
「地上でのお気楽なドタバタシーン」が挿入されます。


地上と天国では絵柄まで変わってしまうあたり、
『地上のドタバタ=低年齢用』
『天国のバトル=高年齢用』
という明確な分類を与えて、幅広い年齢層に見てもらおうと
しているスタッフの苦労が垣間見えたりします。



でも正直、『どっちつかずで中途半端な作品』という低い評価が、
僕の当映画に対する感想です。 残念ですが。


特に、同時に見たのが
『龍拳爆発 悟空がやらねば誰がやる』(高学年向けの内容)
だったので、余計にそう感じました。




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