監督「橋本光夫」

ドラゴンボールZ
『龍拳爆発! 悟空がやらねば誰がやる』


1995年 日本     執筆日:2003年 1月5日





■第一章 『魅せ方』


『ドラゴンボールZ 龍拳爆発 悟空がやらねば誰がやる』(東映) を、
今年の正月の再放送で見たのですが、
正直ビックリしました。


かかかカッコいい!  カッコいいのです!



…話自体は比較的ありふれたモノですし、
今までの同シリーズの作画に比べて
特別技術力が高いというわけでもないのですが…

それらのアクションを最も効果的に魅(み)せるべく
テキパキと変化するカメラアングルや、
登場人物のケレン味たっぷりの行動が、
とてもとても良いのです。



…とりあえず、冒頭付近のシーンを描写することで、
そのカッコ良さを皆さんに伝えてみようと思います。
(伝わらなかったらゴメン。)





街中を暴走するオープンカー1台。
その車中で、薄ら笑いを浮かべる3人の暴走族。
1人はマシンガンを肩にかけている。



時おり、人ごみに突っ込むような素振りを見せるオープンカー。
驚いて、逃げだす人々。(車道に近い順から)



暴走カーの前方100メートルあたりに腕組みで立ちつくす、
仮面とマントをつけた謎の男(悟飯)。



スピードを落とさず突っ込んできた暴走カーのバンパーに、
腕組みのまま軽く右足裏をのせる悟飯。
砂ぼこりを上げながら、
ものの50メートルほどで止まってしまう暴走カー。



いきなり座席から立ち上がり、
悟飯にマシンガンを乱射する暴走族。

同時に右手だけを素早く顔の前で動かす悟飯。




死なない悟飯に驚き、
マシンガンの発射を止め、呆然とする暴走族。



握った右手を自分の顔の前に持ってきて、
小指から順に、1本ずつゆっくり指を広げていく悟飯。



その隙間から、いくつものグニャリとひしゃげた弾丸がこぼれ落ち、
暴走カーのフロントボディに当たってカラカラと音をたてる。

恐怖の悲鳴をあげる暴走族。



いきなり、車の前部を踏みつける悟飯。

後部がシーソーのように跳ね上がり、
座席から投げ出されて前方20メートルのあたりに、
ドサ! ドサ! ドサ!
順番にリズミカルに頭から地面に激突する3人の暴走族。


(この間、悟飯が一言も言葉を発していないところも、
彼の絶対的な強さを象徴していて実に良いですね。)





…文章にしたら何かありふれた場面のようになってしまいましたが、
そこは僕の文章力の限界(泣)ということで。

こういう時には、
やはり映像表現は説得力があるなー と感心します。



そして、当作品の絵コンテをきられた方の実力
感嘆するばかりです。






■第二章 『色々』


…さて、続いてはストーリーについてですが、
詳細の解説はせずに、断片的な感想だけを並べてみます。

あなたが見たときの感想と比較してみて下さいね。




『悪の魔導師のじいちゃんが、けっこう
感情の起伏がハッキリしてて愛せるキャラだったのに、
実は血も涙も無い悪人だったのでギャップを感じた』




『封印の兄弟の「弟」が、冒頭でいきなり
怪物に踏み殺されるというハードな展開は、
以降のストーリーに重みを増したと思うし、
よく子供向け映画に盛り込めたなー、と感心した』




『敵の怪物が攻撃時にしか実体化せず、
悟空たちの攻撃がスカってばかりなので見ててイライラした。
アクション物としては、あの怪物の特性はマイナスだと思う』




『トランクスがかわいそうで泣いた』



『エンディング曲のイメージと合わせたい気持ちは分かるけど、悟空に
「俺がやらなきゃ、誰がやるー!」
と叫ばせるのはどうか? と思った。』

(オラだろ、『オラ』。





…といった所でしょうか。

ドラゴンボールの映画の中では、
比較的高めの年齢層(中高生ぐらい)
ターゲットとした映画だと思うので
アクションアニメ好きの大人にもお薦めです。

ぜひぜひお試しをー。




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