監督
貞光 紳也
『バース』
1984年 日本
執筆日:2005年 8月28日
|
【最初にお詫び】
この批評は、筆者が以前にこの作品を見た当時(2004年9月ごろ)の
批評用メモを元に内容を思い出しつつ書いたものです。
そのため部分的に勘違いした批評が混じるかもしれません。
もし、そういった点にお気づきの方がいらっしゃいましたら、ご指摘いただけると幸いです。
夜露死苦〜
|
■第一章 『きんた』
というわけで、1年ほど前に友人の
KJIさんから借りた
『バース』について述べてみたいと思います。
これ借りるときに、KJIさんから
『なぜ今さらバースを?』と不思議がられましたが、
ゴメンナサイ、俺まだ見たことなかったんです『バース』。
金田アクションについて熱く語ることがしばしばあるくせに
『バース』は未見という俺のゆがんだ視聴暦を笑ってくだされ
わははははははははは 俺が笑ってどうしますか。
それはそうと、この瞬間まで
金田(カネダ)さんを
金田(キンタ)さんだと
信じて疑わなかった俺を笑わば笑え
わははは(オチ省略
だって、以前勤めていた会社のグラフィッカーが
真顔でそういうんですもん信じますよ普通。
もう俺は誰も信じん、
鈴木信G…
■第二章 『良いな〜』
では、当作品で「良いな〜」と思った点を列挙。
一時期非常〜にハヤった手法で、シーンを切り替えずに、例えば
『逃げ回る主人公の後ろを、追う者の視点で長時間ついて行く』
ような場面を指します。
たいてい
背景動画といっしょに表現するので、
手間はかなりかかりますが、独自のスピード感が表現できます。
この作品には、そういった場面が多々見られ、製作側もそういった
『個人のマンパワーでどこまで押し切れるかを追求する快感』を知っている世代で、
かつ、それ相当の実力を持っている人々であることが実感されます。
ちなみに、この手のシーンでは、
『画面の端に何らかのパロディを盛り込む』のが
定石ですので、皆で探してみようね。
(マイナスな楽しみ方)
金田さんのやりたい事をブチ込んだんだから当たり前ですが、
全編『金田色』にあふれています。
「基本はおっかけアクション」、「背景動画バリバリ」、
「独特のタメ」、「歯をむき出し」、「丸と長方形の閃光」、
「激しく動くと手足の先端がドリルのようにとがる人間キャラ」、
「一見メチャクチャのようで、ちゃんと効果を考えてある特異なデッサンやアングル」、
「ケタ違いのスピード感」などなど…
一度慣れてしまうと、もう他の動画では味が薄すぎてダメんなってしまう、
視聴者の舌をイイ意味で破壊してくれる
金田さんの力量にメロメロメロであります。
なんと!
「冨永みーな」さんと
「矢尾一樹」さんが
コンビを組んでいらっしゃる。
後のお二方の御成婚は、当時からすでに
恋のキューピットによって周到に準備されていたと言えるでしょう。
(三流芸能レポーター口調)
■第三章 『ちょっとな〜』
逆に、当作品で「ちょっとな〜」と思った点は…
分かりやすいところでは
『ナウシカ』のネタが入ってました。
こういう
80年代的物作りの姿勢は、当時ですらかなり
イタカッタです。
あと、『方言』に頼ったキャラ作りも何とかしたほうが…
シーンによってキャラの顔がかなり違いますよ。
しっかりせんかい作画監督。 …つか、金田御大。
「時々ズレるセル画」、「音ズレ」
「色指定ミスや塗り間違いと思われる、突発的な色の変化」
「なにげに金田ジャンプ(磔のような姿勢で飛ぶ)が使われていない」などなど、
細かな作りこみ(?)が今一歩だったのは残念です。
勘弁して下さい。
あれでは、
『話の収拾がつかなくなったので地球を爆発させて
「完」にする子供の描いたマンガ』と同列。
■第四章 『最後に』
最後に、映画自体の批評からは外れるけど、
この機に書いておこうと思うことを1件。
80年代は、ヲタクの時代であったと言われており、僕もそう思います。
その「悪いほう」の側面として、
『作品としての出来よりも、それを使った製作スタッフの
一部個人の無責任な遊び心を許容する物作り』といった、
馴れ合いが挙げられます。
金が余っていた時代に垂れ流された、
自己管理のできない人間の汚物的行動。
そんな憐れな行為の1つに
『エセ金田』と呼ばれるものがあります。
つまり、独特な味を持つ金田さんに心酔した
二流以下の絵描き連中が、
氏のアクションの上っ面だけマネたアニメや漫画を
ボロボロ世に送り出していたのです。
当時の僕はそういった事情を知らない学生だったので、それらの汚物を見ては、
『昔、ダイターン3のアニメをやっていた人もずいぶん粗製乱造するようになったなぁ』
と思っていたものです。
金田御大、ごめんなさい。
物知らぬ学生の身だったとはいえ、大変失礼な勘違いを…
そして、これからも変わらずご壮健であられますよう
お祈りする次第であります。
戻る