監督「スティーブン=スピルバーク」

『未知との遭遇 〜特別編』

1980年 アメリカ



■第一章『タイムカプセル』

…以前、テレビでこの映画がやっていたのでビデオに録画し、
「そのうち見るぞー」「ヒマができたら見るぞー」と先送りにし続けて、
やっと先日鑑賞するに至りました。 じつに2年近い時を経て…

そのせいで、番組の合間に入っているコマーシャルがどれもこれも懐かしく、
タイムカプセルでも開いたかのよう気持ちになりましたよ。

世紀を渡ってやっと鑑賞にこぎつけたズボラな私と、
ホコリまみれで待ちつづけた哀れなビデオテープに乾杯。



■第二章『スティーブン=スピルバーク監督』

…映画にはトンと疎い私ですので、「スピルバークさん」と言えば
『ジュラシック・パーク』なる恐竜映画を監督された人、
ぐらいの知識しかありませんでした。

まさか、子供の頃からタイトルだけは飽きるほど耳にしていた
有名作品『未知との遭遇』の監督が彼だったとは。

これを機会に、『未知との遭遇』とは、地球にUFOがやってきて、
主人公と「ジオン軍のヘルメットを黒く塗ったようなヤツを被った男」とが
ライトサーバーで斬りあう映画
だと信じて疑わなかった
子供時代の無知な自分を詫びたいと思います。

あと「スティーブン」という名前を聞くと、
いつもパンを焼いたような香ばしい匂いがただようように感じられるのは、
僕が「スチーブン」から『オーブン』を連想するからだと思います、

…て、誰に向かって書かれてるんだよこの文章は?



■第三章『ストーリーとか』

…最初から伏線バリバリで飛ばしてくれます。

「戦時中に行方不明になったはずの戦闘機が砂漠で見つかる」
「空から歌が聞こえてきたというインドの住民たち」
「原因不明の大規模停電」


そして「UFOの目撃情報」
「目撃した人たちの不可解な日焼け」
「毎夜夢に見るナゾの山」
「さらわれた子供」。



…これらのナゾに隠された真実を求めて、主人公である中年の男は、
政府の妨害の中、仲間と共にナゾの山への登頂に挑みます。

そして、そこで彼らが見たものは!! と言うのが前半のあらましです。


(以降はネタバレがありますから、読みたい人だけ読んでください。)




…山の頂上では、政府によるUFOコンタクトのための設備が完成しておりました。

UFOに乗っているのは、音階による言語形態をあやつる宇宙人である、
と考えた政府が国民に秘密裏に建設していたこの施設に、
いよいよUFОの母船が着陸します。

音階による意思表現のやりとりの末、ついに人類は
UFOの乗組員である宇宙人たちと平和的な出会いを果たします。

宇宙人たちは人間の子供のような姿をしており、リーダー的な人物は
手足は細く毛髪は無いものの、やはり地球人類的な外見をしていました。


そして、UFO内部からは、最初のほうで発見された「行方不明の飛行機」に
乗っていた兵士達が50年前の若さのままで帰ってきます。
この人たちは、このUFOに同乗して宇宙を旅してきたのでしょう。

宇宙への新たな旅に赴くUFOに、たっての希望で10名ほどの地球人が乗船します。
宇宙を目指して、上空へとゆっくり昇っていくUFOの母船をだまって見上げる人々。

その中の子供が一言「さよなら」とつぶやいて、この映画は幕を閉じるのです。



■第四章『感想とか』

…正直、「ずいぶんヌルい話だったなぁ」と言うのが感想です。

別に、知的生命体でもイイやつばかりだとは限らねぇ、
とか斜に構えたことを言いたいのではなく、
あまりにもスイスイと事が進んだので肩透かしを食らったような気がしまして…

だって、小型UFOに音階による会話を試みたら早速母船がやって来て、
母船に会話を送ったら早速宇宙人たちが降りてきて、
その宇宙人は地球人の子供そっくりなスゴくわかりやすい外見で、
降りてきたら早速さらった人々を返してくれて、
しかも地球人の思いをくみ取って早速母船で共に旅することを承諾してくれるという、
スピーディかつ上手くいきすぎな展開。

事前に『インディペンデンス・デイ』を見ていたせいもあってか、
このご都合ぶりにはちょっと閉口でした。


なんか僕的な例をあげますと、街中で
「身長150センチぐらいの、ストレートの黒髪と
日焼けしたハダが美しい、細身だけど出るとこ出てる、凛とした女性」

声をかけたら、なんか意気投合しちゃって、ベッドインしたら
「あたしMなの」とか上目遣いに恥ずかしそうに
言われてしまったのと同じぐらい出来すぎた話
ではありませんか『未知との遭遇』。


いやー、でも、そうやって考えると
無いとは言い切れませんよ。ねぇ。 



…ただ、相手が「元々、地球人とよく似た体構造を持った宇宙人で、
だから地球を選び、地球人に対しても友好的だった」
と考えると、
これはこれでイイかな? とも思えてくるんですが…

張りまくった伏線のうち、原因不明のものが結構あるんですけど、
「これは映画ではなく、初めて宇宙人とコンタクトした人類の
ドキュメントドラマ仕立てになっているのだ」
と割り切って見てみると、
「あのナゾの日焼けの意味も、やがて科学的に解明される日がやって来るだろう」
といった大らかな見方もできるように思えるんですけど…


…ちょっと製作者に甘い評価ですか? こんなんじゃダメですか?

やっぱり、いつもみたいな調子で、
『エヴァ』みたく製作時間の采配を誤って
本編に盛りこみ損ねたんじゃねぇの?


とか厳しく言わないと映画界は良くなりませんか? 



…あと、UFОとの遭遇という大事件に直面しているわりには、
コンタクト施設で流れていたアナウンスがのんびりとしていて
違和感があったんですけど、コレって「吹き替え」だから? それとも元々こうなの?



…さて、結構キツいことを書きましたけど、
画面作りはさすがにメリハリがあり、見ていて飽きなかったです。

「トラックの中で初めてUFОと遭遇した主人公が、
暗闇の中でいきなり回復した懐中電灯の明かりに驚くシーン」
とか

「砂漠の土手からリズミカルに3台飛び出してくるジープのカッコ良さ」とか

「いっせいに空を指差すインド人」とか

「遠くの町のネオンと満天の星空の中へ消えていくUFОの青白い光を、
小高い丘の上から眺めるシーン」
とか。


…それが最も美しく(カッコ良く)見える視点で風景を映す、
という当たり前のことをキチンとこなしていて好感が持てました。

キッチリとした理論による話ではなく、直感的で刺激的な映像
盛りこんだ映画を撮るのが得意な人なのかなーとか思いました、スピルバーク監督。

近々、レンタルビデオで『ジュラシック・パーク』でも捜してみようかなーと画策中。



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