監督:
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『ピーターラビットと なかまたち』
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?年 英国?
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執筆日: 2007年 01月06日
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■第1章 『ピーターラビットとなかまたち』
ご存知の方には当たり前すぎる話かもしれんですが、
『ピーターラビットとなかまたち』てスゴイですね。
先日初めて観る機会を得たのですが、僕はてっきり
『ウサギの家族を中心とした牧歌的な物語』ぐらいに考えてました。
作者が、友人の子供に宛てた手紙が原作だと聞いてたし…
概要としては、主人公のウサギをはじめとした小動物たちが、
結構
文化的な生活を送っている世界の物語です。
小さいながらも人間のような
家に住み、
洋服を着て、
他の種類の動物とも紳士的な
近所づきあいがあり、
書籍・たばこ・カフェなども楽しみます。
あまつさえ、
二足歩行を行ったり、
人間と言語を交わすことすらあります。
ここまで観た限り、よくある
『人間を擬動物化して飲み込みやすくした教訓モノ』
という感じですね。
その割には、ビックリするほど本物ぽい
「動物としての動き」を
することもあって、観てて混乱することもしばしばですが…
■第2章 『食物連鎖とウサギたち』
…で、当然というか、物語中で
事件が発生します。
事件が無ければ、物語にメリハリが効きませんものね。
いえ、それはイイんです。
問題は、その事件の内容が、高確率で…
『相手を食う・食わない』である点です!
先ほどまで老ウサギと仲良くお茶していた近所のアナグマが、
「腹減った」という理由だけで、
ウサギの孫たちを袋詰めにして持ち帰り、
楽しそうに夕食の用意をするのです。
一方のウサギ家では、子供がいなくなったと母ウサギが
号泣。
しかし、アナグマから子供を取り返したウサギ家は
『終わり良ければ全て良しさ』と涼しい顔。
紳士風のカエルが、ハチミツが食べたいという理由で、
「名前のある」(したがって多分近所づきあいもある)ハチを
丸呑みにしたこともあります。
(幸い、飲み下す前にハチは脱出しましたが)
市場に行くための許可証を人間のお巡りさんに見せる
服を着たブタがいるかと思えば、
そのブタを捕まえて食事を与え
「ベーコンエ〜ッグ♪」と
明日への野望を歌う人間のオヤジがいたりもしました。
異常です。
この世界には、『異常』という名の揺るがぬ背骨がそびえ立っているのです。
作者
『ビアトリクス・ポター』さんは、
この手紙で友人の子供に何を伝えるつもりだったのでしょう??
「終わり良ければ全て良いので、脳を使うな」 でしょうか?
「イギリス人は、腹が減ると隣人でも食べますよ」 でしょうか?
それはむしろ「社会しゅゲフゲフ」向きの物語と思われるのですが…
そんな感じで、個人的に大変ブラックなファーストインプレッション
となった『ピーターラビット』ですが、
動物たちの描写が実に愛らしく、
僕のような哺乳類好きにはたまらない作品でありました。
ただ、見た目から「子供向き」と判断すると、
大変に
ヤな後味が残る作品でもあると思います。
子供といっしょに観る親は注意。 子供が泣いちゃうかもよ。
とにもかくにも、
『ピーターラビット』が
すばらしい
カニバリズム作品であることを知りえた、
有意義な2007年のスタートでありました。
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