監督: 雨宮 慶太


『仮面ライダーJ』


1994年 日本

執筆日: 2008年 10月17日





■第1章 『死んだらライダー』


『仮面ライダーJ』はだいたい以下のようなお話です。


主人公瀬川耕司は若いカメラマンで、
山奥の工場が出す廃液で小鳥などが死んでしまう場面を
撮影していたのですが、地元で仲良くなった少女加那ちゃん
夜のテントのそばでコーヒー飲んでたら、巨大空中戦艦登場。

その戦艦に乗っている地球外知的生命体フォッグに、加那ちゃんをさらわれてしまいます。


フォッグは7000万年前の恐竜時代に地球に飛来して、恐竜を食べ尽くしたのだとか。
で、7000万年ぶりに再び来てみたら人間が大繁殖していたので、
「今度は人間を食べ尽くしてやる」と意気込んでおります。

「飼育とかしろよ」と思う浅はかぶりです。


で、主人公は加那ちゃんを守ろうとしたが失敗。(ただのカメラマンなので)
ガケ下に落ちて死亡してしまいます。

気が付くと主人公はJパワーを宿した戦士として復活していたのでした。

彼を復活・改造したのは地空人という地底の住民で、
「Jパワーで、あの宇宙人を退治しなさい」と言います。

「あなたたちは戦わないのですか?」と当然の疑問をいだく主人公に、
「我々は地上の光の中では生きていけないのです」と語る地空人。

その下半身は、樹木の根元のように洞窟の地面に生えておりました。


光が苦手なのに植物のような形態という、
何かが根本的におかしい地空人の力によって仮面ライダーJとなった主人公は、
フォッグとの長い(45分)の戦いに身を投じるのでした。







■第2章 『史上最大キック』


仮面ライダーJを最初に襲うのは、地球から7000万年離れていたくせに
やけに外観がワニに似ているアギト

ライダーを噛んだり尻尾で叩いたりと善戦しますが、両目をつぶされて絶命します。


続く敵は、昆虫のような外観で空中からの攻撃を得意とする女戦士ズー

ライダーの乗るバイクのジャンプアタックで大ダメージを受けますが、
ライダーを捕まえて飛行に成功します。 が、ライダーに殴られて落下。

落ちたところが先刻の巨大母艦の中という ご都合s スピーディな展開。


ズーも絶命し、最後の戦士ガライとの戦闘に入ります。

その戦闘中も、巨大戦艦はタイヤを出して地上を疾走し、森を、街を破壊していきます。
人間を食べるとか言いながら、殺して放ったらかしなのはいかがなものか?

捕らわれの身の加那ちゃんは、卵から孵化した1メートルほどの
宇宙生物たちによって喰われそうになる絶体絶命のピンチ。

「孵化のための生贄」とか言ってたのに、
要は孵化して最初のゴハンだったようです。

じゃあ、街中の人ごみの中にでも卵投下しろよ とか思います。


さて、ガライを倒すことに成功したライダーですが、
加那ちゃんは戦艦内に捕らわれたままでピンチのまま。

そこで、エイヤ!と船外に飛び出したライダーは、
あろう事かウルトラマンのような巨大ヒーローに大変身!!

戦艦に殴る蹴るの暴行を加え、外壁をやぶって加那ちゃんを救出。
最後は、シリーズ中最大最強のライダーキックで戦艦を破壊してエンドです。


ちなみに、戦闘中に近くにあった工場巻き込んで破壊したため、
山には緑と加那ちゃんの笑顔が戻ってくるという、
「故意だろ」としか思えないエピローグが。







■第3章 『まとめ』


「目的と行動が合致しない、思慮の浅い敵陣営」

「唐突に巨大化。 かつ背景がモヤモヤした空ばかりなので巨大感希薄。」

「ご都合主義の嵐」


など、スピーディというより頭を使ったら負けな展開の連続は疑問ですが、
45分の中でライダーの様々な要素を魅せるにはこういう構成しか無いのかな…?
と、映画の限界のようなものを見せられた気がします。
45分て、TV版の2話分ですもんね。 無理だわ。


ちなみに今回のスタッフ、『ZO』とかなりかぶるのですが、
僕はZOのほうがはるかに好きでした。

尺も同じ45分だったはずだし、この両者を比較すると
「効率の良い魅せ方」のヒントになるかもしれませんね。


最後に、ビデオには特典映像として「メイキングシーン」も入っていたのですが、
加那ちゃんを襲う大量の宇宙生物(ヘビのような)は、
スタッフが両腕に着ぐるみをつけて、
その腕をワラワラワラと動かしていたそうです。

加那ちゃん役の野村佑香ちゃん、
大量の大人の男どもの腕がワラワラ近づいてきて、
生きた心地がしなかっただろうなぁ…
あの悲鳴は地なんだろうなぁ…

と、不謹慎なことを考えたりも(笑)






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