ドラゴンボールZ
銀河ギリギリ! ぶっちぎりの凄い奴
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1993年 日本
監督 : 上田芳裕
執筆日 : 2009年 06月20日
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■第1章 『あの死闘から…』
『ドラゴンボールZ 銀河ギリギリ!ぶっちぎりの凄い奴』は、
TVアニメ
「ドラゴンボールZ」の
劇場版の1つで、
時系列的には
人造人間セルとの戦いが終わってすぐあたりの話だそうです。
大まかなストーリーは以下のとおりです。
4つの銀河から招待された4人の超戦士
(実は余興で、正体はミスターサタンの弟子4人)
と戦えるという大会に出場し、勝ち残った、
悟飯・トランクス・クリリンたち。
だが、そこで待っていたのは、
サタンの弟子たちを倒してすりかわった、
かつて4つの銀河の界王たちに封印されたはずの
凶戦士「ボージャック」と、その部下4人だった。
強力なボージャックと、
相手のパワーを封印してしまう術を使う部下たちによって
劣勢を強いられる悟飯たち。
ピッコロ・ベジータも参戦するが、太刀打ちできない。
悟飯の絶体絶命のピンチを天国から見ていた父悟空は、
一瞬間だけ地上に戻ってボージャックに一撃を見舞い、
悟飯を叱咤激励して帰って行く。
父の声に奮起した悟飯は、
セルを倒した最終形態「スーパーサイヤ人2」に変身。
ボージャックたち4人を倒し、地球に平和が戻ったのだった。
■第2章 『インフレとの戦い』
「ドラゴンボール」は、漫画・アニメとも、
セル編のあたりから画力がパワーダウンしています。
この映画も丁度その頃作られたものなので、
止め絵ではキレイでも、
動きがどこか中途半端な場面が多々あり、
ちょっと首をかしげる出来です。
それでも、悟飯たちのパワーを視覚的に分かりやすくするために、
戦闘を建物が並んだ場所でおこなう
(付近の建物の崩壊具合によって、
視聴者に悟飯たちの戦闘の凄まじさが伝わりやすくなる)
など、頑張っているところも見られます。
アクションアニメとしての迫力で計れば、
十分に楽しめるレベルでしょう。
難点としては、このテの作品にありがちな、
『宇宙最強になってしまった悟飯をどうやってピンチにするか?』
という、
主人公が万能になったせいで削げてしまった緊張感の修復に
作り手が四苦八苦している痛々しさでしょうか?
パワーでは勝てっこないので、
部下の手を借りてパワー封印というのは、
「ボージャックって実は大したこと無いんじゃね?」
という気持ちにさせられてしまいます。
また、「スーパーサイヤ人2」には
『本気で怒らないと変身できない』という制約がありますが、
そんな取って付けたような制限では、観ていて緊張感はありません。
「いいから早く変身してボコボコにしてやれよ」
という気分になります。
逆に、スーパーサイヤ人2になったら、
3分かからずに4人を惨殺してしまう悟飯…
界王が4人がかりで封印した割には、
ボージャックの強さは
セルの5分の1ぐらいしかない感じです。
これなら、あと15分ぐらい早く
悟飯にスーパーサイヤ人2になってもらって、
4対1で、
地球全土を揺るがす超対戦
という流れにしてくれたほうが良かったな…
ちょっと
食い足りなさすぎです。
主人公のパワーアップの度を過ぎたインフレは、
後の話を作るときに本当に大きな問題ですよね。
■第3章 『それ以外』
それ以外に気になったところは…
★ボージャックのナイスミドルぶり
見た目は悪くないんだけどなぁ…
性格がなぁ…
もったいないです。
★ベジータ様の噛ませ犬っぷり
「トランクス! 手出しをするな!」と毅然と言い放ちつつも
毎回毎回
ボコボコにされる
ベジータ様をなんとかしてほしい。
悟空・悟飯・トランクスに次いで強いのに…
(それはスーパーサイヤ人としては最弱では?)
★「ドスコイ」としか話せず、名前まで「ドスコイ」な
相撲取りの捨てキャラっぷり。
憐れです。
特別お奨めの内容ではないですが、
ドラゴンボールのファンで機会があれば
ご覧になってみてはいかがでしょう?
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