『機動戦士ガンダムV
めぐりあい宇宙編』






1982年 日本

監督 : 富野由悠季



執筆日 : 2009年 07月17日





■第1章 『必見』


『機動戦士ガンダムV めぐりあい宇宙編』は、
テレビアニメ「機動戦士ガンダム」の劇場版第3作にして完結編。

再び宇宙に上がったホワイトベースと、
この短期間で驚くほど熟練した少年少女クルーたちの活躍、
そして舞台となった「1年戦争」集結までを描いた総集編
です。


ちなみに「宇宙」と書いて「そら」と読みます。
『富野読み』というやつです。



まず驚くのが、新作カットの多さ

画力もグンと上がっており、
しかも2作目『哀・戦士編』のようなツギハギ感も少ない。

何しろ、本編の終了から2年
第2作から数えても8ヶ月もの制作期間があったので、
ジックリ構成を見直す時間が持てたのでしょう。



ちなみに第2作でも、
「Gファイター」が『コアブースター』になっているなど、
細かい変更がありましたが…

今回もかなりあります、変更点

気が付いただけでも列挙すると…


『宇宙ではキャタピラ走行が役に立たないためか、
ガンタンクは使用しなくなった。
代わりにガンキャノンが2機になり、カイとハヤトが搭乗。』


『所々で、セリフが変わったり追加されている』

『Gファイターが、コアブースターになっている。
今回はちゃんと砲門も描かれている。』


『アムロの父「テム・レイ」、死亡(多分)』

『基地内でジオン軍服を着用しているララァ』

(TV版ではヒラヒラ服で歩き回っていた)



また、戦闘・爆発シーン
かなり描きかえられたり追加されているので、
印象が(良い意味で)ガラリと違います。

同じ場面も、画力が上がるとこんなに雰囲気が変わるのか!
と、あらためて驚かされることでしょう。


扱われているストーリー範囲も、
本編後半から終わりまでの最もハデな箇所なので、
ボリュームは充分


前2作に関しては、『テレビ本編を観てしまえば、観る必要なし』
と言った僕ですが、この3作目だけは
『ぜひ劇場版もご覧下さい』と言わせてもらいます。

これだけ(いい意味で)本編と異なっていれば、
もうそれだけで一見の価値があります。


というわけで、『オススメ』です。

メカアクションアニメ好きであれば、
存分に楽しめることと思います。







■第2章 『おまけ談話』


最後に、ちょっとオマケ話ですが…



『ドレン』て、いいキャラですね。
歳を経るごとに、彼の「味わい」が分かるようになってきた自分です。

『コンスコン』のおちゃめっぷりも、いい。

部下思いで責任感の強い『ドズル』も…


どうしてこう、ジオンの大人は魅力に溢れているのでしょう。
連邦の大人の大半から傀儡(かいらい)の腐臭がただよう一方で、
ジオン親父たちはまさに『人間』。 魂を感じます。


俺をジオンにまぜてくれ!

スペースノイドの自治権獲得の日まで、
俺の血肉を使ってくれていい!!

そんな俺の前に、白いモビルスーツ登場 ⇒ 土下座・降伏





あと、「ア・バオア・クー」に不時着し、
コアブースターから脱出した事になっているセイラですが…

よく見ると、その背後には、Gファイt




こ、こういう所こそ描き直せよ!(笑)






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