| プレイステーション用ソフト
 
 『ゼビウス3D/G+』内
 『ゼビウス3D/G』
 
 
 販売 ナムコ        
プレイ時間 「クリア5回ほど」
 
 購入価格 2480円    
執筆日:2003年 3月25日
 
 
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■第一章 『はじめに』
…
『ゼビウス3D/G』(ナムコ)は、同社の往年の名作
『ゼビウス』を、
クォータービュー(斜め見下ろし視点)を基本としたポリゴンSTG
として生まれ変わらせたゲームです。
単純に
『ゼビウス』をポリゴンモデルにしただけではなく、
ステージ構成や自機性能もガラリと一新させているため、
まったく別のゲームと言ったほうが良いかもしれません。
…このゲーム、元々は
アーケード版です。
昨今のコンシューマ移植のお約束として、
所々に
ムービーが挿入されていますが、
金属の質感といい、空間の表現といい、
ナムコの技術力は本当に高くて驚かされます。
一方で、
『タイトル画面と入れ替わりで流れるデモ』
(空を行くソルバルウが、トーロイドや地上物を破壊していく)
が
異様にチマチマしており、
高いCG技術だけでは良いムービーは生まれないのだなぁ
と、しみじみしたりしました。
■第二章 『パワーアップ』
…
昨今のハデハデSTGに対抗すべく、
自機『ソルバルウ』も大きくパワーアップして帰ってきました。
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 ■『3つのパワーアップショット』■
 
 
 …時々現れるアイテムを取ることで、
 メインショット(ザッパー)の性能が変わります。
 
 同じ色のアイテムを取り続ければ、3段階まで性能アップが可能。
 
 
 扇形にザッパーを放つ『拡散ショット』
 一点集中で強力な『レーザー』
 敵を自動追尾するレーザーが何本も飛んでいくが
 威力は底々の『ホーミング』
 の3種類のショットを選べます。
 
 
 
 …でも、この3種類の組み合わせって、
 『TATSUJIN』(東亜プラン)以降、
 他社を含む同系列のゲームにおいて
 ほとんど変化していないんですよね。
 
 かつて、常に新システムを切り拓き続けたナムコも堕ちたなー
 と、感じましたね。 かつての1ファンとしては。
 
 
 
 …ただ、『ホーミング』の性能だけは
 ちょっと面白いアイディアを使っており、
 「ザッパー(対空)」「ブラスター(対地)」の
 両方がホーミングになります。
 
 で、『ザッパーのボタンを押しているときは
 飛んでいくレーザーの全てが対空ショットに』、
 『ブラスターボタンの場合は対地ショットに』、
 『両方押しているときは対空・対地が半々の割合』
 で撃ち出されます。
 
 
 …そのため、画面内の敵の配置や耐久力を考慮して
 こまめに押すボタンを変えなければならず、
 一見お手軽ながら実は非常にテクニカルなショットです。
 
 このショットが生み出す独特のプレイシステムは『斬新』であり、
 まだまだ発展の可能性を秘めていると思います。
 
 (ただ、ボタン押しっぱなしになるため、
 シューティング特有の『狙って撃った』→『倒した』の快感は少なめです。
 もっとも、それは、どのゲームのホーミングショットでも同じ事ですけど。)
 
 
 
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 ■『性能アップしたブラスター』■
 
 
 …旧作でのブラスター(対地ショット)は
 発射後の着弾までに1秒ほどのタイムラグがあり、
 地上を移動する敵を撃つときは、このタイムラグを考慮して
 撃ち出すところに独特のゲーム性がありました。
 
 が、本作では、
 一度ロックオンして撃ったブラスターは
 敵に確実に敵にヒットします。
 
 また、昔は単発だったものが5連射ぐらいできる
 ようになっているため、爽快感はケタ違いです。
 
 
 
 …一方で、敵が地上を走ろうが止まっていようが
 ヒット成功の難度に大差が無くなったためか、
 敵から感じられる『個性』は希薄になりましたが。
 
 
 
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■第三章 『色々』
その他、雑多な感想としては…
…
『草原』『砂漠』『迷宮』など様々な背景はもちろん、
『宇宙空間での光の帯』など
当ゲーム独自の
美しさを見せる場面もあり、飽きさせません。
ステージ自体も長すぎず、
数回の見せ場を経てボス戦になるため、
中だるみもあまり無いです。
…ナムコの
お家芸ですね。
…ザコが大きく左右に展開して自機を襲ってくる場面が多く、
特に
「バキュラ」(空中板)付近で戦うときは、
ほとんど敵を撃ちに行けずに
避けてばかりなので
つまらないです。
(ホーミングなら対処できるが)
ここに限らず、当ゲームは
全体的に
ザコに逃げられることが多く、
昨今のシューティングとしては
爽快感に乏しいです。
…旧作
『ゼビウス』自体がそもそも
『ザコ1体にいたるまで生き延びようとする動きを見せる』
部分をウリの1つとしていたゲームであったから
それを継承した事も理由なのでしょうが…
それならそれで
『生き延びようとする有人機』(ゼビウスの伝統)と
『単純な動きしかせず、やっつけたときの
爆発がハデな無人機』(プレイヤーへの爽快感サービス)
を混ぜた構成にしても良かったのではないでしょうか?
…
「障害物との距離が計りづらいこと」
「空中物と地上物を見まがう場合があること」
この2点で、ちょっと遊びづらさを感じました。
…技術的に難しいかもしれませんが、
両者の間に半透明ポリゴンによる
『空気遠近法』を施せば、
両者の差別化と、
空間的な奥行きを表現できて
一石二鳥だと思います。
…最終ボスを倒した後、
エンディングムービーが流れている間中、
『自機のショット音が鳴りつづけるバグ』
が発生することがあり、
感動も半減です。
■第四章 『総評』
…決して悪くない出来なのですが、
『ゼビウス』という作品の世界やシステムを壊すまい
とする制作サイドの姿勢が、逆に
『旧作と昨今のSTGの間の中途半端な地点』
にとどまったゲームを生み出したように思えます。
オールドゲームファンでも無く、新規ユーザーでも無い、
『ゼビウス』でゲームの洗礼を受けた者だけを対象としたゲーム。
それが、
『ゼビウス3D/G』なのでしょう。
…僕は
『ディグダグ』でアーケードの洗礼を受けた者なので、
このゲームから受けるインパクトは底々でしたけど。
丁寧に作られて入るけれど、一般的なプレイヤーには、
お薦めするほどではないゲーム、て感じですね。
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