スーパーファミコン用ソフト

『BUSHI 青龍伝』

販売…T&Eソフト (開発:ゲームフリーク)     購入価格 1580円




はあ? ゲーム途中で つまっちゃった?

あー もう、そんなとこ座り込んでないで、

攻略ページ をシッカリ読んで、

男なら もう一度 がんばってみなさいよ!





■第一章『兄弟ゲンカ』

『BUSHI青龍伝』は、
『ポケモン』で名を馳せはじめた頃の「ゲームフリーク」が、
「T&Eソフト」を通じて世に送り出した作品です。


内容は『パズルRPG』とでも呼べばよいのでしょうか?

ほとんど前例の無いシステムなので呼び名に困りますが、
ゲームとしては間違いなく攻略性に富んだ秀作です。


主人公は弥生時代(?)ごろの日本を舞台に、
自らの『剣』(接近戦)と、腕から発する『光の弾』(遠隔射撃)、
相棒である妖怪 (正体は人間の少女) 『ヲクウ』(飛行・遠隔攻撃)
を駆使して、妖怪たちを退治していきます。


…ちなみにこの戦は、
兄神と妹神の仲たがいが原因でおこっています。

(また『兄弟ゲンカ』ですか、田尻御大。)



■第二章『1000回遊べるRPG』

…従来のRPG同様、敵を倒すことで主人公たちの基本能力は
少しずつ成長しますが、特筆すべきはその戦闘画面にあります。


極端に言えば『トルネコの大冒険』(チュンソフト)そのもので、
敵と自分が同一ターン制で行動します。

移動方向が「前後左右」から「上下左右」に変わっただけ
と言っても過言でないほど、両者は似ています。


元々、『トルネコ〜』 ターン制 という概念自体、
『大戦略』(システムソフト)などの
シミュレーションゲームから起因したものですが、それを考慮しても、
『BUSHI青龍伝』『トルネコ〜』を意識した作品であることは明白です。

(「舞台が昔の日本であること」「お供の妖怪の形状」などから、
むしろ『風来のシレン』(チュンソフト)へのオマージュから
生まれた作品かも知れません。)



…で、『トルネコの大冒険』を遊んだことがある人なら、
冒険中に「モンスターハウス」にまぎれこんで
苦戦した経験があろうかと思います。

『BUSHI青龍伝』は言わば、
その「モンスターハウス」部分だけを抽出して
一本の作品に仕上げたゲーム
なのです。



…フィールドを徘徊する妖怪に主人公が触れると、戦闘画面に突入。

そこでは、2〜3体から、多いときで10体以上の妖怪
主人公を葬らんと待ち受けています。

プレイヤーは、敵の編隊構成から、
その特性・弱点を見抜き、
付近の地形も考慮した臨機応変な戦いで
敵を殲滅、勝利をもぎ取ります。


…そして、規定ターン数より少ない
適確な戦闘によって敵を全滅させると
「勾玉」が手に入ります。

より少ないターン数で戦闘を終わらせるほど、
より多くの「勾玉」が手に入り、
それが敵の本拠地に攻撃を加えるのです。



…ただし、出現する敵編隊には決まった構成があり(1地区で10編隊ほど)
それぞれの編隊を倒したときの「最少ターン数」が記録されています。

そのため、一度目に適確な戦闘によって
ガッポリと「勾玉」を稼ぐことができた編隊でも、
それ以降はもっと適確に (あるいは別の戦法やレベルアップを伴って)
戦わないと、1個も「勾玉」が入手できません (経験値は入る) 。


そこにパズル的要素が生まれ、適確な戦術を組む思考が要求されます。

これこそが当作品の醍醐味。


後半に進むほど、1個の「勾玉」のありがたみが増し、
自分の戦略が功を奏したときの喜びが大きくなります。

最少ターン数の記録がじょじょに伸びていくのは、
キャラクターではなくプレイヤーである自分自身の
確かな成長が感じられ、感慨もひとしおです。



■第三章『ヲクウを求めて』

…こうして全体の6、7割ほどの「勾玉」を集めれば
一応のエンディングには辿り着けます。

が、真のエンディングを見るには、
さらに多くの「勾玉」が必要となります。

なかなかに険しい道のりです。



…しかし、そこに辿り着けば
「パートナーである『ヲクウ』が人間の少女に戻る」
…と聞かされれば
俄然(がぜん)ヤル気も増すというものです。

かくいう私めも、杉森健さんが描く
「すっきりと中性的なかわいい女の子の絵」だけを求めて、
鬼人の如く記録を塗り替えていきました。 (←外道)



…で、いよいよ『ヲクウ』が人間に戻る日がやってまいりました。


黒髪
ポニーテールぽく
さっぱりした薄着の和服
ちょっとつり目の少女
だったら嬉しいねぃ、と思ってたら
そのものズバリの少女が現れたので
喜びすぎて頭がクラクラしました。


…やはり杉森先生は偉大なお方であったべ、アラーアラー  (C)まこと虫



■第四章『悪貨は良貨を…』

…総評としては、一見地味ですが非常に丁寧に作りこまれた秀作で、
『ゲームフリーク』のシステム構築の底力に感嘆させられます。

チュートリアル(操作説明)もシッカリしており、
導入部で主人公の養育者が
手取り足取り教育してくれるという徹底ぶりです。


…と、当作品の良さが見えれば見えるほど、同時に、
このように丁寧に作りこまれた作品があっても、
商品数の多大さ・宣伝力の格差などから他作品に埋もれてしまい、
結果的に触れる機会すら得られないユーザーが数多く存在することが
つくづく悲しくなったりもしました。


…皆さんも世にあふれる「二番煎じヘボRPG」
「ごった煮格闘ゲーム」に大切なお小遣いを散財するよりも、
良質ソフトを遊ぶことで得られるプレイの充実感にこそ
投資すべきではないでしょうか。

とはいえ、限られた資金内では
なかなか「比較選出」は難しいもの。



…打開策としては
『真にゲーム性というものを熟知し、
冷静にして適確なる分析眼を持つ友人』

からの情報を得るが近道かと存じます。


「そんな人、周りにいない」とお嘆きありますな。

不肖、私「池袋ふき」は、そんな方々の選択眼となれる
優秀にして卓越した分析能力を有する男ですので、
当HPのゲーム批評を読んでいれば
アナタの散財率激減にして生活向上まちがい無しですね。



良かった良かった。 さあ、涙をお拭きなさい。

あの夕日に高らかに笑うのです。


あっはっはっはーーーーー。













↑ここより上は、(たしか) 2002年ごろ に書いたものになります。



2017年 秋 に機会があって、
実に 10数年ぶりに再プレイしてみたのですが…

あらためてジックリプレイしてみると、
中盤 (マダケ 〜 シオン のあたり) の間延び感 が、
幾分 気になりました。


主人公やヲクウの能力がズバ抜けて上がるわけでもなく、
一方で ザコは早い時点で一撃で倒せるようになるため、
ゲーム的変化が少なくなってしまう のが原因だと思います。

それでも、経験値を稼ぐためには、
何度も同じ敵パーティと戦う必要があり、
変化のほとんど無い攻撃手順を
延々とくりかえすのが、苦痛で苦痛で…


その割に、主人公の体力の回復手段が少ないので、
迂闊な行動をとると瀕死になる危険もつきまとい、
本当に息苦しい時期です。




ただ、そこを乗り越えて、
ヲクウが 『回復能力』 を得るように
なるあたりから、状況は一変!

ヲクウの体力は 戦闘が終われば全回復しますから、
隙を見つけてはチマチマと主人公を回復させていれば、
まず危険な状態になることはありません。

(洞窟などに入った直後・出る直前に、「主人公を回復」 させ、
直後に洞窟などから出入りすれば ヲクウの体力も元に戻るので、
手間を惜しまなければ、ノーリスクで主人公の全回復が可能です)



主人公の 剣攻撃のバリエーションが増え、
シメワによるショット攻撃 の距離・範囲も広がり、
今まで攻撃の届かない位置にいた敵も
バッサバッサと倒せるようになってくると、

経験値はもちろん、
「勾玉」集めも飛躍的にスピードアップ!

ゲーム後半は、あまりある爽快感を堪能できるようになります。




そんな魅力ある当作品ですが、
本当に本当に 残念に感じる点 があります。

それは、これだけパズル的要素に
重点を置いた作品であるにもかかわらず、

『戦闘時に、敵の配置をリアルタイムに確認できない点』 です。



敵の位置が確実に分かるからこそ、
より適切な一手を模索する楽しみが生まれるのに、

このゲームでは 「心眼」(セレクトボタン)によって
だいたいの位置を把握する
か、

いちいち 『ヲクウの探査能力』 で
フィールド内を飛び回って確認する
かしないと、

敵の位置が分からない仕様
になっているのです。



かつてファミコンで販売された 『ロードランナー』 は、
その特異なゲームシステムで称賛を受ける一方で、

パソコン版と違って、フィールド全体が見えない ため、
(テレビ画面には、主人公の近場、
フィールドの4分の1ほどしか表示されない)


パズルとしては 実に理不尽な作りになっている ことが
大きな不評ともなっておりました。


もちろん、パソコン版のような画面比率をそのまま採用し、
小さく味気ないキャラで発売していたら、
ファミコンユーザーの中心層である子供たちに、
あそこまで受け入れられたかどうかは疑問ですが…

『BUSHI青龍伝』 の制作の過程にも、
開発者の そうしたジレンマとの葛藤が
あったのではないか…? と、
1ユーザーの自分は想像したりするのです。



せめて、「ヲクウの探査能力」が最初から付いていたり、
(ヲクウを助けた時点から)

「心眼」 を開いたときに、
画面がズームアウトして、
フィールド全体を見渡せたら…


さらに、パズル的深みも増したのではないでしょうか?




『ポケモン』シリーズ で 時の人となった 田尻さん が、
再び こうしたジャンルのゲーム制作に
携わることは もう無いでしょうが、

『BUSHI青龍伝』 の発売から 20年近くを経て、
すっかり中年(笑)になった今の自分は、

今、そんなことを想ったりしているのです…






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