プレイステーション用ソフト

『ビルクラッシュ』

販売…翔泳社        購入価格 480円



■第一章『壊し屋』

『ビルクラッシュ』は、その名のとおり ビルゲイツをぶっ殺
ビルを破壊する解体業者を題材としたアクションパズルゲームです。

不景気のさなか、やっとの思いでビル解体会社への就職を果たした
主人公でしたが、社内での生き残り競争は激しく、
社員同士でビル解体の技量を競い合うハメになってしまった

というのが当ゲームのストーリーです。

…なんか他人事ではないストーリーですね。


…ビル解体と言っても、外国で見られるような、
ビルの要所々々に爆弾をしかけて一気に破壊するような
無粋な真似はいたしません。

主人公の頭ほどもある巨大な爆弾を部屋に投げ入れて破壊していく
という男気あふれる手段で任務は遂行されるのです。


なぜか一定時間で開閉をくりかえしている窓
タイミングよく爆弾を放りこめばOK。

爆音をたてて部屋は吹き飛びます。



…それにしても、開閉をくりかえす窓が解せません。

まさか、まだビル内に人が残っているのですか?

あの開閉は、中にいる人間の必死の抵抗なのではないでしょうか?

そこへ無表情で爆弾を投げ入れる主人公の姿に、
不景気のストレスによって破壊された人間性
垣間見られて趣深いですね。



■第二章『システムについて』

…さて、『ビルクラッシュ』というゲームのシステムを語る前に、
『ブレイクスルー(ザ・ウォール)』
という作品について解説しようと思います。

『ブレイクスルー』なんて知らねぇ、とおっしゃるアナタも、
『さめがめ』と呼ばれる系統のPCゲームが
フリーソフトに大量に存在していることぐらいはご存知だと思います。

で、実は『さめがめ』のオリジナルこそが
『ブレイクスルー』なのであります。

その製作者が、『テトリス』で名を馳せた
「アレクセイ=パジトノフ氏」であると知れば、
件(くだん)のゲームの根強い人気もうなずけるというものですね。



申し訳ありません!


実は、『さめがめ』のほうがオリジナルで、
『ブレイクスルー』のほうが改良版であるらしい
ことが、
ある方からの情報提供によって判明いたしました。


詳細は、サターン版 『ブレイクスルー』 の批評をご覧下さい。






…どうして最初にこんな話をしたかといいますと
(勘のイイかたは、もうお気づきでしょうが)、
『ビルクラッシュ』は『ブレイクスルー』と
ゲーム性の点でとてもよく似ているからです。

「瓜2つ」と言っても過言ではありません。
当然(?)、『ビルクラッシュ』が後発です。



…両者の異なる点は、『ビルクラッシュ』のほうが

「ステージが縦長で 状況が把握しづらい スリリング」

「壊すブロックが大きいので相対的に画面内の表示数が減り
状況が把握しづらい 画面スッキリ」
「窓が開閉して爆弾の投入を妨げるので ウザい タイミング的戦略が付加」


…といったところでしょうか?



…当ゲームの製作者は
『ブレイクスルー』という作品を知らなかったのでしょうか?

だとしたら、不勉強であるとしか言いようがありません。

…あるいは、知っていた上で盗作、
もしくはより上のゲーム性を求めてアイデアを拝借したのでしょうか?

だとしたら、余計なオリジナル要素を付加した挙句に
ヘボヘボになったゲームを堂々と世に送り出した製作者の
脳の健康状態が問われるところです。



…PS初期の粗製濫造時代を象徴する当ゲームを、ぜひ御購入ください。


フリスビー用として。



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