Windows PC用


『256匹うさちゃん』
(プレリリース版)



販売: ねぴあわ〜るど

プレイ時間 : 2時間

購入価格: 頂戴しました

執筆日: 2007年 01月09日





■第1章 『基本ルール』


『256匹うさちゃん』は、不思議シューティングゲームです。


「ねぴあわ〜るど」は、シューティングを基本としながらも、
その奇抜なシステムの追究で一部に熱狂的ファンを持つ老舗同人グループ。
ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?



最初に断っておきたいのですが、当作品の作者さんは、最初から
『実験作』(プレリリース版)と位置付けてこのゲームを製作しているそうです。
したがって当ページも、批評ではなく考察にとどめた視点で味わおうと思います。


また、これを書いている自分の成績が、現時点で
『最高うさぎ数、約200』『最高生存時間、約400秒』
といった所なのですが…

これが、当ゲームにおいてどの程度の実力(中級とか)
あたるかによっても以下の考察の価値は変化すると思います。


以上を前提に、お読みいただけるとうれしいです。
では、始めましょう。





まずルールですが、プレイヤーのすることは単純明快


自分たちの住む月面に次々と設置されていく敵の基地を、
仲間のうさぎたちと共に撃って撃って撃ちまくって破壊します。

基地からの攻撃によって仲間が死んだりもしますが、
たまに現れるUFOを破壊するたびに「5匹」補充されます。

あまり基地を放っておくと、巨大UFOが現れて
猛烈な攻撃をしかけてくるので注意です。

時間に比例して、敵の攻撃も激しさを増します。



そんなこんなで、うさぎが全滅するまで、
どれだけ持ちこたえられたかの「秒数」を競うゲーム


それが『256匹うさちゃん』(プレリリース版)です。







■第2章 『基本システム』


では、もう少し詳しくシステムを追ってみましょう。



『主人公』

「うさぎたち」です。 特にリーダーはありません。

たまに混じるうさぎ少女だけは連射能力がある分、
ショット性能が高く、1人で10匹分ぐらいの戦力になる感じです。

撃ったショットは『放物線』を描いて飛んでいきます。(重要)




『プレイヤーの操作』

左右キーで、『月面の移動』。 1ボタンで、『ショット発射』
上下キーで、『味方の、集中・分散をコントロール』

目新しいのは味方の集中・分散で、画面中央付近に対して
全員を集中させるか分散させるかを調整できます。


集中させるほど、各々が高くジャンプし、
向いている方向(左右)に水平ぎみにショットを撃ちます。

逆に分散させるほど、ジャンプが低くなり、
斜め上に向かってショットを撃つようになります。




『月面』

戦闘フィールドです。
プレイヤーの左右キー入力に応じて月面が回転し、
相対的にうさぎたちの移動を表現しています。

往年のプレイヤーの中には、その流れから
『ファンタジーゾーン』(セガ)を想起される方もいらっしゃるのでは?

あれを、「視覚的に納得できる形にした1つの答え」
といえる画面構成ではないでしょうか。


なお、月自体は10秒ほどで1周できる比較的小さい球なので、
地平線も露骨に「丸み」を帯びて表現されています。(重要)




『敵の基地』

時間に比例してランダムに降ってきて設置される、
「だるま落とし」状の物体です。

1つ1つのパーツごとに、耐久力と、砲台がついています。

ゲーム時間が経つにつれて、一度により大量のパーツが降ってくるため、
必然、背の高い基地が建設されやすくなります。

撃ち出されるショットは、うさぎのそれとは異なり
『直線の弾道』を描きます。(重要)




『UFO』

ランダムで現れて、「ミサイル」を発射。

UFOを破壊することで、うさぎが「5匹」補充されます。




『ミサイル』

UFOから発射されます。
ミサイルの直撃を食らったうさぎは死亡します。

一方、うさぎのショットで押すことができ、
しかも爆風は一時的なバリアとして機能します。




『巨大UFO』

「基地」の設置数に比例して上がっていく『侵略度』が、
100に達すると出現します。

本体下部からバルカンを連射してくるので、
大量のうさぎが殺される場合があります。







■第3章 『テクニック』


上記のシステムからの推測をあわせて、
実際のプレイから見つかったテクニックをご紹介します。

それによって、当ゲームの弱点将来性を考えてみましょう。



『集中・分散の、使いどころ』

現実に即して考えれば…


部隊を『集中』させることは、敵への集中攻撃が可能な反面、
小数の敵にしか対処できず、中範囲の攻撃範囲を持つ兵器によって
一度に大量の被害を受ける危険があります。

人員数がイコール破壊力となる状態でもありますね。


逆に『分散』は、広範囲に対して攻撃の手を広げられる反面、
人数が部隊の攻撃力に比例しづらくなり、それぞれの判断で
戦局を乗り切る必要があるなど、個々の高い技量が要求されます。

それらを把握できるマネジメント能力が隊長(プレイヤー)に要求される形態です。



ところが、当作品のメインの敵である「基地」と「巨大UFO」は、
いずれも高い耐久力を持ち、撃ち出されるショットは
高速で無限、かつ範囲の狭いものです。

したがって戦う際は短期決戦が求められ、
部隊配置は『集中』以外ありえません。



ジャンプとショット方向の変化から、
『分散』は上空の敵との体当たりを避けつつそれらを攻撃する
という意味合いがあると思われるですが、
それに該当する敵が当ゲームには存在しないのです。
(『集中』でも、上空の敵には攻撃が届くので。)


部隊は常に『集中』にしておいたほうが有利です。




『基地への対処』

「丸い地面」。 「放物線を描く自機ショット」。 「直線に飛ぶ敵基地ショット」

以上3点から導かれる効率のよい戦方は…
『離れた場所から、月の丸みに隠れて敵基地を攻撃する』です。

実際、これを厳守すれば、
ゲーム前半で人死にを出すことはほぼありません。


もちろん、後半になって『基地の背が高くなる』と、
彼方から一方的に攻撃を受けることになります。

自機の性能は上がらないので、
雨アラレと降ってくる敵弾の中に特攻をしかける以外、
打つ手がなくなります。




『UFOを撃つタイミング』

当ゲームで唯一、敵のショットを無効化できる
「ミサイルの爆風」を得るためには、
画面内にある程度UFOを残しておく必要があります。


敵の基地の近くにUFOを誘導し、
いくつかミサイルが撃ち出された直後に、UFO本体を破壊し、
ミサイルを押して基地に突撃をかける

といった戦い方が、オーソドックスではないかと思われます。 







■第4章 『気づいたことアレコレ』


次は、良し悪しは別に、
『こんなことを試したらこうなった』事例を挙げてみましょう。

今後のゲームルール改変で、
何かのヒントになってくれるとうれしいです。



『左右移動をしなかったら?』

試しに、左右移動をせずに、UFOと「巨大UFO」
(基地を壊しに行かないので、当然一定時間ごとに現れる)
のみ対処する戦法に切り替えたところ…

なんか、普通に戦っているときと同じぐらい生き延びれました




『通常より高い自機ショット』

『拡大』状態から『縮小』に一気に切り替えると、
通常よりも高いショットが撃てました。

これは、拡大時の高いジャンプを継続中のうさぎから、
縮小時の上向きショットが撃ち出された結果のようです。

ただ、有効な使いどころは無いようです。




『UFOバリア』

UFOの撃ったミサイルは、
他のUFOに接触しても爆発するようです。

そのため、常に中央に寄ろうとするUFOの性質上、
放っておくと画面中央部に3機ほどのUFOが集まり…
お互いの撃ったミサイルが付近の味方にぶつかって
ミサイルの爆風が途切れず、『擬似バリア』のようなものが構成され、
「巨大UFO」の攻撃をかわすちょっとした手段となります。


ただ、ショットを撃っても先にUFOに当ってしまうので、
『巨大UFOからの攻撃はやや防げるが、こちらの攻撃もほとんど届かない』
という、差し引き『結局こっちが不利』なバリアです。 意味無いね。



【訂正】

後日、作者であるKJIさんより追加情報をいただきました。

『あれは、UFO本体ではなく、ミサイルの爆風に対して誘爆しています。
UFOとミサイルの間には当り判定はありません。』
との事です。

ありがとうございます、KJIさん。

なるほど、だからゲーム時間が700秒あたりまで行ったときに、
ミサイルによる『あんな光景』が…









■第5章 『まとめ』


まとめとしては、
『行動の幅の少ない自機に、従来のSTGに近い敵配置や攻撃を
施したために、ゲームとしてやや破綻してしまった感がある?』

という所でしょうか?

この章では、今までのプレイ体験から、
いくつか試験的アイディアを挙げてみましょう。



『画面内の敵ショットを少なくし、
爆風タイプのものをメインとする』

「集中していれば大量死」のキケンを盛り込めば、
『分散』の価値が上がることでしょう。




『ショット切り替えのプラスアルファ』

状態切り替えによるショット方向を、「移動方向と、」ではなく
『移動方向と、個別照準』にしてみてはどうでしょう?

集中時は1つの大きな生き物として…

分散時は各々の判断で戦うコマンドとして、
それぞれの意味を持たせられると思うのです。

あわせて、『敵の耐久力を下げ』れば、
少ない兵力でも足元にもぐりこませれば寝首をかけるようになり、
『分散』の価値が上がると思います。




『敵の基地の性能を変える』

自走式にするなど、独自の判断で攻撃をしかけてくる敵なら、
プレイヤーの『敵のいない場所で動かずにいる』という
ズルい手を封じれます。

『侵略度』を無くして、単純にどんどん敵が増えるようにすれば、
自ずとプレイヤーに戦う必要が出ることでしょう。
(連動して「巨大UFO」も無くなりますが、別の意味合いを持たせてもイイですね。)




『自機の成長』

「出現後、短時間で基地を破壊する」などのハイテクニックに応じて、
自機ショットの破壊力が上がるようにすれば、
プレイヤーに更なる目的意識を持たせられる事でしょう。

早い時点で自機ショットパワーが上がっていれば、
後半味方が少なくなっても少数精鋭で何とか切り抜ける
といった戦い方も可能になりそうですね。


ややベタなアイディアではありますが、
基地を破壊するとパワーアップアイテム(2パターンが一定時間で切り替わる)
が出てきて、それを「隊長キャラ」がゲットすると
『味方が増え』たり『ショットが強くなる』というのはどうでしょう?

どの場面でどちらを優先するかによって、後半になるほど
プレイヤーごとの戦い方に個性が出て面白いかも。






はい、というわけで結構長々と考察してしまいましたが、
それだけ将来性を感じさせるシステムという事で
ご理解いただければ… と思います。

当作品に興味をもたれた方は
『ねぴあわ〜るど』にお問い合わせ下さい。

通販などの情報が展開されている可能性がありますし、
他にも興味深い作品が紹介されていますよ。



最後に、僕の撮影したゲーム写真を紹介して幕といたしましょう。 それでは〜。









いやーん、皆どこ?





お地球見、お地球見。




Danger!!

以下で、『256匹うさちゃん』の極限プレイ(?)を解説します。

当作品本来のゲーム性を損なう可能性があるため、
それを覚悟できる方のみ閲覧を許可します。

解説ページは、こちら








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